海龍のつぶやき - Mumbles by the SeaDragon - (ダイビング編)

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大五郎クマノミの正体は?

 2007年4月のインドネシア・西パプア州 ビアック遠征時に 非常に変わったクマノミを目撃した。 右に示した写真は同じ個体である。 他のクマノミ(多分 Orangefin anemonefish)が数匹ついているイソギンチャクの中に この個体は同居していたのだ。

 色はカクレクマノミのオレンジ色よりは明るいオレンジ色。 大きさは周りの Orangefin anemonefish より2廻りくらい小さい。 だが その特徴は 頭部と両側のエラのあたりにある極太で短い白いラインだ。 一番右側の写真を見ると頭部の感じが あの「大五郎」を思い浮かばせることから 内輪で(というよりも 海龍が勝手に 「大五郎クマノミ」 と命名したのだ。

 海龍はイントラで ダイビング・プロショップのオーナーではあっても ガイドではない。 クマノミ・オタクでもない。 いつもはどんなクマノミを見ても あぁ クマノミねっ・・・ という反応しかしないのだが、それでもこのクマノミが、 西暦をかなり以前に超えるダイビング本数をこのインド・パシフィック海域で行ってきたなかで 初めてお目にかかるクマノミであることはすぐに判った。

 残念ながら このとき海龍のカメラは15mmのワイドレンズを装着しており、 個体がはっきりと鮮明に判るような写真を撮ることは至難の技であり、取り敢えずは Jennyちゃん以下の他のカメラ保持者の撮影に期待したのだが、カクレクマノミ並み、いやそれ以上にチョコマカ動き回るこのクマノミの撮影に成功したのは Jennyちゃんの 上記ブレブレ写真3枚というありさまであった。 それでも種類特定の目的には十分耐えるのでOKとしよう。

 クマノミの仲間は全部で2属28種に分類されるという知識はあった。 でも28種の名前を全部覚えていたわけでは当然ない。 標準和名のあるやつ プラス アルファー程度である。  ただ 名前を覚えている奴ならば だいたいの特徴くらいは頭に入っている。 でも こんなクマノミは本でもみたことがない(と思った) ので 「クマノミ ・ガイドブック」 (ジャック・モイヤー博士著 TSS ブリタニカ刊)を以前に購入して店に置いてあったのを思い出したので  今更ながらだが クマノミに関して総復習をすることとした。 その結果をまとめたものが こちらの  クマノミ全28種一覧 であるので暇な人は覗いてみて欲しい。

 前置きが長くなったが 結論を書こう。 この「大五郎クマノミ」 の正体は Whitebonnet anemonefish ホワイト・ボンネット・アネモネフィッシュAmphiprion leucokranosなのであった。

 たいそうな学名までつけられており、 PNG のダイブ案内などでは ソロモン諸島 PNG東部のおける固有種 として客引きの宣伝に利用したりしているが、 実はこれは 真っ赤な嘘なのだ!  まず明確な嘘は ”ソロモン諸島・PNG東部のみ” というあたり。 我々がこの大五郎クンを目撃したのは 西パプア州 ビアック島沖合いの Owi島なのだからだ。 また その後、調べたところでは フィリピンあたりからも目撃報告があるらしい。

 そもそも この ホワイト・ボンネット・アネモネフィッシュというのは 豪州の魚類分類学者であるアレン博士が 1973年にソロモン諸島で発見して報告して学名まで命名されたのであるが、 どうもそのアレン博士自身が 最近では 一つの種ではなく セジロクマノミ Orangefin anemonefish 雑種と考えるようになったらしく、雑種とするのが 学会の多数説のようだ。

雑種と考えられるようになった根拠は;
  • 全ての目撃例が セジロクマノミ、もしくは オレンジフィン・アネモネフィシュと同一イソギンチャクで同居していること
  • それも複数でなく単体紛れ込んでいること
  • ホワイトボンネット・アネモネフィッシュだけが同種だけでイソギンチャクにいたという目撃報告が全くないこと
  • ホワイトボンネット・アネモネフィッシュの個体差が非常に大きいこと
  • 交雑がサンゴ礁の魚類では珍しい事ではないこと
  • 当のアレン博士自身が セジロクマノミとオレンジフィン・アネモネフィッシュの両種が同一の卵塊を守っているのを目撃していること
それらから ホワイトボンネット・アネモネフィッシュは セジロクマノミとオレンジフィン・アネモネフィッシュの1世代雑種と考えられるようになったらしい。




 ホワイトボンネット・アネモネフィッシュの白い斑点は大きく分けて 3つの斑点が分離しているタイブ(仮に「タイブ A」 と呼ぶ)と繋がっているタイブ(仮に「タイプ B」 と呼ぶ)とに分類できるようだ。 雄がセジロクマノミ+雌がオレンジフィン・アネモネフィッシュの場合と 雄がオレンジフィン・アネモネフィッシュ+雌がセジロクマノミ の場合で この「タイプ A」と「タイプ B」 に分かれると考えている人もいるようだが それはまだ定かではない。



 上の写真は 海龍のおふざけコラージュ 「タイプ A」と「タイプ B」。 それぞれ どちらかが 本物で片方はコラージュなのだが人工孵化でこんなことができたら またアクアリスト達の楽しみが一つ増えるのになどと つまらんことを考えてしまった・・・




参考リンク :



[2007/04/17 記]  

テーマ:ダイビング - ジャンル:スポーツ

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無題

>> 実はこれは 真っ赤な嘘なのだ!

図鑑に書いてあることを
宣伝文句に使っただけでしょ?

そんな鬼の首とったみたいに
青筋おったてて力説しないで
「どこそこにも分布してるようだ」
とするのが大人の対応だと思います。
  1. 2009/07/16(木) 21:32:44 |
  2. URL |
  3. クマノミ好き #-
  4. [ 編集]

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