海龍のつぶやき - Mumbles by the SeaDragon - (ダイビング編)

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OW 講習を リゾート地で受講する功罪 その1

  東京方面でよく見かける サイパン・グアムあたりのリゾート地で スキューバー・ダイビングの入門コースであるOWコースを受講するという宣伝。 こういったコースには大きく分けて下記の2通りの方法が見受けられます。
  1. 学科講習・プール講習・海洋実習からなるコース全体をリゾート地でおこなう
  2. 学科講習・プール講習は 東京の店で行い、海洋講習のみを現地の提携先で行う
  海龍の持論なのですが、上記1の形は 日本人の一般的休暇取得形態から考えて 絶対にお勧めできません。 何故 お勧めできないかの理由はこれから下記で説明しましょう。


■ そもそも 何で入門コースを受講するの?

  そもそも スキューバー・ダイビングの講習というものは 何を何時間やればいいという 時間単位のものではなくて 一定の技術をちゃんとできるようになり、その背景にある理屈(理論)をそれなりに理解するということが 重要なのです。 私はよく自動車学校の例で説明しています。 自動車学校に通う人の目的は 自動車運転免許証というカードを取得すること自体が目的ではなく、本当に自動車を運転できるようになることが目的であって 免許証というのは その結果にすぎないはずです。

  ですから 自動車学校のパンフレットに最低 場内講習何時間とか 書いてあっても多くの人はそれを超過する講習を受けるのが普通ですし、 学生さん、主婦、会社員 また 若い人 や年配の方など それぞれの講習生の背景によって 実際に必要になってくる講習時間はかなりの差があります。 実際 大昔 私が自動車免許をとったときも (確か最低基準は 24時間程度だったと思うのですが)、仲間とどれだけこれを少ない単位オーバーで合格するか競ったものの 30時間ちょっとかかった記憶があります。 それでも 同時期に受講されていた叔母さんはその時点で100時間越えでした。

  まさに スキューバー・ダイビングも同じようなものなのです。 水泳の選手や水面監視員として活動されていたような方と20年近くも運動らしきものを全くやっていない方、もともと 泳ぎが苦手な方と得意な方・・・ 実技面で同じ時間数で同じ結果が出るわけがありません。

  どこのダイビング指導団体でも 基本は同じなのですが、団体の規定したレベルにおいて それぞれの技術を (たまたまではなくて) 何時でも 普通にできるようになる (Mastery という英語で 日本語では習熟と訳されています)、即ち コースの目的とした範囲で 指導者(インストラクター)なしで ちゃんとダイビングができるようになる・・・というのが目的な訳です。

■ 日本人の平均的休暇ってどのくらいの長さですか?


  日本の会社社会では 休暇が取りづらいという世界的?な批判をうけ、昨今では 色々な休暇取得対策が取られてきていますが、 現実問題として 1週間~10日間の休暇って 普通の人は 頑張っても社会人生活で1回、自分の結婚の時くらいにしか チャンスがないのではないでしょうか? 連休を上手く使っても せいぜい 1週間以下、 4日程度というのがメジャーなところではないでしょうか・・・

  PADI の入門コースである OWでは 最低でも 学科講習 約8時間、プール講習 4時間、海洋実習 2日(2本潜水/日)程度の時間が必要であり 日数的には規定上 最低3日となっています。  これは元々 4日であったものを リゾート地側の強い圧力で 3日に変更になったものです。

  さて 最低限のことを3日でやろうとすると 朝から晩まで 合宿形式でやればなんとか コマ割り的に収められる・・・というレベルのものだと 安易に想像出来ると思います。  でも これ どんなに才能があって ダイビング的センスのある受講生であっても 最低限これだけ・・・という 必要最低限のお話なんです。  殆どの方は そんな優秀な受講生であるはずがありません。

  当然 初期の目的である 一定の範囲内とはいえ、ダイビングをできるようになるというレベルを達成する為には 追加の時間が必要になってくるのです。  また、その追加時間数というのは 各個人別に皆 違うというのは自明ではないでしょうか。

  米国でも欧州でも 温暖な沿岸地帯でダイビングが出来る地域に居住する人よりも 内陸部や沿岸でもダイビングに適さない地域に居住する人の方が多いのです。  現在のレジャースポーツとしてのスキューバー・ダイビングの基礎を築いた団体は米国系の団体です。  ですから 全米各地から 南カルフォルニアやフロリダ はたまた カリブあたりまで でかけて スキューバー・ダイビングを習うというのが 普通という前提でなりたっています。 そう、リゾート地で ダイビングを習うのです。

  ここで問題になるのが 日本人の休暇日数の少なさなのです。 欧米人の場合 1週間程度の休暇なんて 超ショートで彼らの認識では Vacation のカテゴリーに入りません。 1ヶ月程度、場合によっては2ヶ月というレンジが彼らの基準であります。 だから 彼らにとっては 最低3日が普通は5日になろうが 多少出来が悪くて 1週間になろうが それほど問題にはならないのです。  海龍が ケアンズで知り合った中年のご夫婦は 全く経験なしで手ぶらで ケアンズに来て 約2ヶ月滞在して 母国に戻るときには 二人ともスキューバーのフル装備を持ち、レスキュー・ダイバーの認定を受け 経験本数 80本程度の初心者どころか 初級者を通り越して 中級に近いところまで到達されていました。

  日本人の平均的休暇状況でこんなことが可能でしょうか? また休暇の中には当然 移動に必要な時間も含まれてくるのです。

■  では 現実には どうなっているのでしょう?


  現に2泊3日とか3泊4日での講習宣伝がよくありますが、どのように行われているかというと、単純明快で 一定の時間割を組み、生徒の技術・知識の習得具合に関係なく 時間割をこなした段階で コース修了 ⇒ 認定証の発行ということを行っているのです。

     考えてみれば当然の帰結で 帰りの飛行機を予約している講習生に 「あなたは まだ未熟だから 認定できません。 帰りを遅らせるか、またの機会に続きを受けてください」 なんて リゾートの人間が言えるでしょうか? もし 実際に言っているところがあるとしたら それはすごいことで 賞賛に値するでしょうが、 そんなことを言える先では 最初から 2泊3日とか 3泊4日でのコースの宣伝などしないでしょう。

  結果的に、ごく稀な才能あった人を除いて 殆どの人は ダイビングの講習を受けたことがあるだけで 実質的には あれもこれも 上手くできないという状態、ひどい場合には 完全なペーパーダイバーとなるのです。  日本国内の街の店でも このような時間割で トコロテン式に認定するところは ままありますが、その場合でも 通うことができる距離である限りは その後のフォローアップを求めることもできるわけですが、遠距離のリゾートではそうもいきません。
 
  ですから 日本の多くのダイバーは 本来の意味でのダイバーになりきれていないのです。  ダイビング・スポットでのガイドは あくまでも 本来ガイドであって ダイバーに技術を教えるインストラクターではありません。 勿論 多くのガイド諸氏がインストラクターの資格をもっているのも事実ですが、ガイドの仕事とインストラクターの仕事とは全く別の種類なのです。

  ところが ダイバー側があまりにも未熟な為に 本来のガイド業務ができず インストラクター的なことをせざるを得ないという状況が各地でおきています。  世界中の多くの有名ダイビング・スポットではこうした未熟ダイバー用に専任の日本人インストラクターを雇用しており、ひどいところになると 日本人だと言うだけで そうしたグループに割り当てられたりします。  日本人でもちゃんとしたダイバーはいくらでもいるわけで そうしたちゃんとした人達にとっては いい迷惑でもあるのです。


■ もう一つの問題点は・・・

 実は リゾート地で 入門コースの受講をするにには もう一つの問題点があります。


  せっかく 短いながらも楽しい休暇を過ごすためにリゾート地に来たのに、クラスルームに閉じこもって学科授業を何時間も受けたい人って、どれだけいるでしょう?  私なら オープンな空間にでて 思いっきりリラックスしたいものです。  実は講習をやる側の人間も その辺のことは十分承知しているので、学科は 思いっきり手を抜くことが多いんです。  まぁ 無理してやっても 身につかないっていうのもあるのですが・・・  酷いところになると 学科講習自体を全くしません。 で 予習しておいてください・・・的なことを事前に言っておいて それを前提に(実際には予習などしていなくても) まとめと称して、最終筆記試験を 一緒にやって ペーパー的には格好をつける・・・・ こんなこと やっているところもあるんです。


 指導団体が 入門編といえども 学科講習を設けて それなりの内容を盛り込んでいるのには 当たり前の話ですが、それなりの理由があるわけです。 水中での技術だけできれば それでいいという訳ではありません。








  

 


 

[2013/08/21 記]  

テーマ:ダイビング - ジャンル:スポーツ

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